はつかいち福祉ねっと通信No,38 手話言語&コミュニケーション条例プロジェクト 廿日市市は、手話が言語であることの普及や多様なコミュニケーション手段の取得についての条例を制定することになりました。 市は、すべての市民が、安心して豊かに暮らすために、相手の想いや考えを理解し相互に人格と個性を尊重し合うことや、情報の取得により自ら意思決定できることが大切であるとの認識、そして、障害者基本法や障害者の権利に関する条約に規定されている 手話を含む言語その他の意思疎通のための手段について選択の機会が確保されることや、情報の取得などについて選択の機会の拡大が図られることをさらに推進する必要があるとの考えから条例制定をめざすこととしています。 はつかいち福祉ねっとでは、市からの「障がいのある人や家族、関係者の声を聴きながら条例の策定を進めたい。」との意向を受け、はつかいち福祉ねっとの分かりやすい情報部会に「手話言語&コミュニケーション条例プロジェクト」を設置し、条例の制定に向け話し合いを進めてきました。 第1回(11月27日)は、この条例についての趣旨説明、第2回(12月15日)は、条例案の検討、第3回目(1月26日)は、事業内容の検討など、意見を出し合ってきました。 この条例の大きな柱は、「手話が言語であることを認め、手話への理解を広める」「障がい特性に応じた多様なコミュニケーション手段の円滑な利用を促進する」の2点です。 この柱を進めていく事で、市民一人ひとりが障がい特性を理解し、障がいがある人もない人も円滑にコミュニケーションできるまちを目指していくことが条例の目的となっています。 毎回、市から条例案の内容について説明していただき、それに対して参加者の皆さんから「多くの方に手話が言語であることを知ってもらいたい」 「色々な障がい特性があり、求めるコミュニケーション方法も様々。学校などでの学習で啓発ができたら良い」などのたくさんの意見を頂いています。 県内では、福山市が手話言語条例を制定しています。 障がいの特性に応じたコミュニケーションまでを含む条例は県内初となります。 3月にパブリックコメントがあり、条例案がホームページなどに掲載されますのでぜひ読んでみてください。 条例が制定された後も、取組などの充実のために、またみなさんと検証をしていきたいと思います。   計画推進会議   2月1日(木)に、第3回の計画推進会議を開催しました。 これまでの計画推進会議や各障がい別会議から出た意見を反映した形での「第5期廿日市市障がい福祉計画・第1期廿日市市障がい児福祉計画」の素案について、改めて市から説明がありました。 今回の計画は、障がい福祉サービスに関する数値目標の設定及び見込量とともに、サービスの提供体制や取り組みについて定めるものとなっており、サービス見込量確保のための方策も記載されています。 第3次廿日市市障がい者計画のPDCAについては、当日までに間に合わなかったため後日にみなさんにお示しする予定になっています。 最終素案が3月にパブリックコメントとして市のホームページに掲載されると思いますので、ぜひ見ていただけたらと思います。 障がい別会議 知的障がい部会 2月14日(水)の定例会では、廿日市警察署生活安全課の上村さんをお招きして「特殊詐欺等の学習会」を行いました。 年々巧妙な手口となっている様々な特殊詐欺(なりすまし詐欺、架空請求詐欺、還付金詐欺等)の現状や被害に遭わないための予防策、被害に遭った時の対応策等についてお話いただきました。 知らない人からの電話やメール等でお金の話が出た時や、実際に被害に遭ってしまった時は、ひとりで悩まずに親、友人、警察、消費者センター等に相談することが大切だということを学びました。 参加された方からは、「日頃からのコミュニケーションが大切だということが分かった」、「事業所の職員等、支援者向けの研修があると良い」などの声が出されました。 障がいのある人が安心して地域で暮らすことができるよう、今後も様々な機関とのつながりをつくっていきたいと思います。 こども部会 高校生までのお子様がいる保護者(こども部会メンバー、特別支援学級・特別支援学校在籍者、児童発達支援・放課後等デイサービス利用者)を対象としたアンケートを10月に実施しました。 このアンケートは、「福祉サービス利用に関するアンケート」「夏休みの過ごし方実態調査」を実施した8年前と比較すると、市内の社会資源等が大きく変化しているため、「現在の保護者の困りごとやニーズ等を把握する必要があるのでは」という声が上がり、実施することになりました。 配布したアンケート約900部のうち回収した約360部の回答は、現在、集計中です。 集計結果については、余暇活動充実のための取組や保護者向け学習会、障がい者計画・障がい福祉計画、障がい児福祉計画等の参考にさせていただきたいと思っています。   課題別会議 福祉就労ワーキング 福祉就労ワーキングは、偶数月第一木曜日19時〜定例会を開催しています。10月12日(木)の定例会で行った工賃アップについての勉強会では、工賃アップに関連する研修に参加された事業所からの報告を受け、各事業所の現状、課題を共有するとともに、事業所として、また、福祉就労ワーキングとして取り組みたいことなどについて意見交換を行いました。 そして、12月9日(土)に開催された“障害者週間”啓発イベントでは、事業所製品販売、事業所紹介、作品展示等で参加しました。地域の多くのみなさんと交流しながら取り組む事ができました。 また、市役所1階に2月オープンしたデイリーヤマザキさんのご厚意により、市内事業所製品を委託販売しています。 市役所ロビー販売と合わせてよろしくお願いします。 特別支援学校進路ワーキング 12月14日(木)に今年度3回目のワーキングを開催し、廿日市特別支援学校高等部3年生の進路指導の状況や今後の流れ、課題等を共有しました。 新たに厚労省から出された「就労継続支援B型事業に係るアセスメント」に関する文書の確認を行い、本人、保護者、関係者みんなにとって一番良い方法を再度、検討していくこととなりました。 3月に行う今年度最後のワーキングでは、年間の振り返りと来年度に向けた打ち合わせを行う予定です。 発達支援部会 2月15日(木)に今年度第3回障がい児支援関係事業所連絡会を開催しました。 まず、会場を提供していただいた児童発達支援センターおひさまの見学をさせていただき、療育内容等についての説明を伺いました。医師、リハビリスタッフ、保育士等の多職種で連携を取りながら子どもさんへの支援をされている様子がわかりました。 行政報告では、障害福祉課から障害児通所支援利用に係る医師意見書と平成30年度障害福祉サービス等報酬改定について説明がありました。 「ビジョントレーニングについて」と題した研修では、PIECE四季が丘管理者の斉藤千晶さんより、視機能(見え方)に課題があることで日常生活や勉強、運動等、さまざまな場面で辛い思いをされている子どもさんがいらっしゃるという現状やビジョントレーニングの効果等について、事例を交えながらわかりやすくお話しいただきました。2人組で体験したビジョントレーニングでは、うまくできているかどうかお互いに確認しながら楽しく学ぶことができ、有意義な時間を過ごすことができました。 参加者からは、「他事業所の見学や療育内容を教えていただく機会がなかなかないので勉強になった」「報酬改定の勉強会をしてもらいたい」「今日学んだビジョントレーニング等を取り入れた支援を行っていきたい」等の声がありました。 余暇活動支援ワーキング 1月13日(土)に「みんなの防犯教室&広島県警察音楽隊コンサート」をさくらぴあ大ホールで開催しました。 昨年度開催した「みんなの交通安全教室&広島県警察音楽隊演奏」に引き続き、警察の方々にご協力いただいた企画です。当日は、小さなお子様からご高齢の方まで約300人の方たちにご来場いただき、会場はおおいに盛り上がりました。 防犯教室には、廿日市警察署生活安全課上村さんを講師にお迎えしました。 事前に上村さんとワーキングメンバーで協議しながら準備を進めたクイズや寸劇に加え、護身術も体験でき、会場のみなさんに、頭と身体を使って楽しく学んでいただくことができました。 そして、広島県警察音楽隊の迫力あるコンサートでは、会場がとても華やかな空気に包まれました。 演奏曲は聴きなじみのある「地上の星」や「聖者の行進」等の5曲と、アンコール曲「パパはマンボがお好き」。その後のドリル演奏では圧巻のパフォーマンスを観ることができ、あっという間のひとときでした。 障がいのあるなし、年齢等にかかわらず、みんなが気軽に参加できるイベントとなりました。   訪問介護事業所連絡会 利用者にとってもヘルパーにとっても負担の少ない介護技術を学ぶ研修を6年前から続けています。 今年は、1月23日(火)にあいプラザ講座室で「介護技術向上研修」(講師:香川寛さん(NPO法人リハケアリングネットワーク))を開催しました。 約45名のヘルパーさんが参加され、「これからの在宅での支援について」学びました。 研修を受けたヘルパーさんからは、「2次障がいを予防するためには、抱えない、きちんと座る、きちんと寝る状態をつくることが大切」、「利用者の負担にならない介護が、本人と周囲によい効果を与えることをみんなに伝えたい」などの感想が寄せられました。 介護技術の向上、モチベーションアップにつながる元気になれる研修でした。 “障害者週間”ワーキング 12月9日(土)にゆめタウン廿日市にて“障害者週間”啓発イベントを開催しました。 3階の紀伊国屋書店前では事業所の製品販売、手話教室、ロービジョン体験を行い、2階の市民ホールでは事業所紹介のパネル展示、製品や作品の展示、障害者権利条約の絵本のスライド上映、ヘルプマークの紹介、喫茶コーナーを行い企画内容も幅広くなってきています。手話やロービジョンを体験された方、市民ホールに来られた方に(株)藤い屋さんとカルビー(株)さんからの協賛品をお渡しすると大変喜ばれていました。 来場された方から「事業所がたくさんあることを知りました」「作品が素晴らしかった」「手話教室やロービジョン体験が勉強になりました」「ヘルプマークをはじめて知った」「もっとたくさんの人に見てもらえると良いですね」等多くの声をいただきました。 当事者団体やボランティアの皆さんの協力で多くの方にご来場いただけるイベントになりました。 また来年度の“障害者週間”啓発イベントもより多くの人に知っていただけるような取り組みを企画していきたいと思います。   地域生活支援システムプロジェクト 障がいのある人が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるための仕組みづくりの第一段階として「“自宅で一人で過ごすことのできない障がいのある人”のご家族等の緊急時に、障がいのあるご本人をショートステイにお連れしたり、ご自宅で見守ったりする」体制を整えるべく議論を重ねています。 2月19日(月)には、この地域生活支援システムに名乗りをあげてくださっている「参加事業者(19法人)」のみなさんと「事業者調整会議」を開催し、各種情報交換を行いました。 平成30年度の報酬改定に向けては、まだ、国から詳細が示されていないので、次回の「事業者調整会議」は、新年度に入ってからの開催になる予定です。 「廿日市市障がい者差別解消支援地域協議会」が設置されました 地域における障がい者差別を解消するための取組を効果的かつ円滑に行うことを目的に、この度、廿日市市に「廿日市市障がい者差別解消支援地域協議会」が設置されました。 この協議会は、医師会、弁護士会、警察署、教育委員会等幅広い領域の団体・機関の委員さんで構成されており、はつかいち福祉ねっとからも各障がい別会議と権利擁護ワーキングを代表し、4名の方が参加しています。 第1回目の協議会は、1月25日(木)の午前に開催されました。 「障害者差別解消支援地域協議会の必要性について」というテーマで、内閣府障害者差別解消法アドバイザー又村あおい氏にご講演いただき、協議会の役割や必要性について学びました。 そして午後からは、はつかいち福祉ねっとのみなさんに地域協議会について知っていただこうと、又村あおい氏に引き続き講演をお願いし、「障害者差別解消法と地域協議会について」と題し、お話いただきました。 参加された方からは「建設的対話、相互性の成り立ち、地域協議会の重要性がよくわかりました。それと同時に広く社会全体に障がいについて、とにかく知ってもらいと感じました。」 「障がいは社会にある障壁が少しずつなくなり、障がいの有無に関わらず、生活しやすい廿日市市になるのであろうということを再確認できました。」等の感想が聞かれました。   事業所リレーずいそうNo.18    この度サンキ・ウエルビィ介護センター廿日市の尾川様よりバトンをいただき、僭越ながら、今回のリレーずいそうを担当させていただくことになりました、株式会社アッシュの善岡と申します。 先ずは簡単に弊社の紹介をさせていただきます。 弊社は廿日市市新宮に拠点を置く開業8年目の訪問介護事業所で、関係者の皆様のご支援を賜り、20代から60代までの職員で介護保険・障害福祉サービス等を行なわせていただいております。 「自宅で普通に暮らしたい」という高齢者や障がい者の方のささやかな思いに真摯に向き合い「必要なサポートを、ご利用者様の身になって一生懸命やらせて頂く」という当たり前なことを大事にして業務を遂行しています。 幅広い職員の年齢層ですがチームワークは大変良く、お互いの意見をフランクに交換し合い、強会や研修会にも積極的に取り組んで介護技術のスキルアップに努めながらも、皆でカープの応援に行ったりカラオケ等のレクリエーションでも大いに盛り上がっています。 そんな職員と共に働けることを私は誇りに思っており、力を合わせて協力してくれる職員がやりがいを感じられる環境を作ることも私の大きな役目だと考えています。 職員一同持ち前のチームワークの発揮はもとより、他事業所との連携もさらに緊密にしてご利用者様の気持ちにこたえられるように日々精進してまいりますので、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。