公益財団法人日本精神衛生会/きょうされん40周年記念提携事業 「精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察」刊行100周年記念 きょうされん40周年記念映画上映会 夜明け前 呉秀三と無名の精神障害者の100年 我が国十何万の精神病者は実にこの病を受けたるの不幸の外に、この国に生まれたるの不幸を重ぬるものというべし。 精神病者の救済・保護は実に人道問題にして、我が国目下の急務と謂はざるべからず。呉 秀三 日時 2019年7月27日(土曜日) 1.14時00分から 2.15時45分から(※各上映とも定員80名先着順) 場所 山崎本社みんなのあいプラザ3階講座室 参加費(当日受付) 一般500円 障がい当事者200円 ※未就学児の入場不可とさせていただきます。なお、当日、託児等はありません。 ※上映開始後30分以降の入場はご遠慮ください。 今井友樹監督作品(ナレーション:竹下景子) 企画 藤井克徳/監修 広瀬徹也 プロデューサー 中橋真紀人/撮影 小原信之/編集 古賀陽一 協力 一般社団法人障害者映像文化研究所/バリアフリー版制作 Palabra株式会社 制作協力 株式会社工房ギャレット 製作 記念映画製作委員会 公益社団法人日本精神衛生会/きょうされん/有限会社イメージ・サテライト ドキュメンタリー/2018年/66分/BD 主催 きょうされん広島県支部西部ブロック 2ページ目 心を病んだ人々は、なぜ閉じ込められればならないのか? 精勤の病とは…、人間の尊厳とは…、いま突きつけられる問いかけ! 呉秀三(くれ しゅうぞう)は、今から百年前の時代に東京大学医学部精神科の教授として、異例の社会的な取組みを進めた先達者である。 彼は精神疾患の人々が「座敷牢」に押し込まれる実情を憂い、その解決のために奔走した。その土台となった報告書「精神病者私宅監置ノ 実況及ビ其統計的観察」を1918年に提起し、多方面へ働きかけた。それから、1世紀の年月が過ぎた今、精神障害者の問題はどうなっている のだろうか? 精神障害者をめぐる問題は一つの国の在り方を左右する重大なものであり、欧米でも改革が進められている。何故なら、人口の1%プラス アルファが精神疾患を発症するという前提のもと、全ての国民が理解と対処を迫られているからである。  しかし、古い時代から現在に至るまで、精神病は誤解と偏見、差別の対象となり、この病を持つ人々と家族は苦しみと犠牲を強いられて いる。2017年12月の「寝屋川市監禁死亡事件」、2018年4月の「兵庫県三田市監禁事件」の報道は、多くの人々に衝撃を与えた。しかし、 このような事例はまだ少なからず存在すると関係者は指摘する。こうしたタイミングで、この課題に一貫して取り組んできた精神医療保健 の専門家組織である公益財団法人日本精神衛生会と、障害者福祉の土台を支えて40周年を迎えるきょうされん(旧称:共同作業所全国連絡会 )が提携して製作したのが本作である。  長編第1作「鳥の道を越えて」で高い評価を得た今井友樹監督(工房ギャレット代表)が、先輩である小原信之カメラマン(民俗文化映像研究所 代表)とタッグを組み、2003年の記録映画の最優秀作として注目を集めた夜間中学の記録映画「こんばんは」(毎日映画コンクール記録文化 映画賞/文化庁映画大賞)の編集を担った古賀陽一編集マンを迎え、その「こんばんは」、重度重複障害児を育てる家族を描いたアニメ「どん ぐりの家」(きょうされん20周年/山本おさむ原作・脚本)や、精神障害者の社会復帰を描く劇映画「ふるさとをください」(きょうされん30周年 /脚本:ジェームス三木)で指揮をとった中橋真紀人プロデューサー(イメージ・サテライト代表)のもとでパッションとパワーを注いだ。  呉秀三研究の第一人者・岡田靖雄先生(精神科医療研究室代表/元・松沢病院医師)、「座敷牢」問題の調査研究を続ける橋本明先生(愛媛県 立大学教授)、日本の精神科医療のトップに位置する都立松沢病院の齋藤正彦院長というキー・パーソンへのインタビューを軸に構成された 本作品は、これまでの100年を見つめ直し、これからの100年を考える貴重な映像的素材と言えるだろう。  作品の中に登場する資料には、現存する2冊のみの「私宅監置」報告書(1冊は岡田先生の手元に、もう1冊は国会図書館!)、呉秀三の初めて の著作の初版本、家族にあて欧州から送った絵葉書(既に所在不明?!)、秘蔵されていた数枚の写真(東大医学図書館に保管)などがある。日本で 初公開!呉秀三の欧州留学先での足跡-彼が1900年前後に留学・視察したベルギーとオーストリア(ウィーン大学)に残されている「自筆の署名」 を求めて海外ロケを敢行し、彼の下宿アパートもカメラに収めてきた。 勇気をもって前へ 立教大学教授 香山リカ いつの時代も、社会を前に進めるのは、ひとりの気づきとそれに触発された大勢の仲間たちです。いまも心の病を持つ人たちが正しく理解され、 その人権が十分に守られているとはとても言えません。  しかし、彼らが私宅監置などのもっとひどい処遇をあたりまえに受けていた時代に、呉秀三はそのおかしさに気づき、病者に治療と福祉の光 をあてようとしたのです。私も本作から多くを学び、勇気づけられました。 夜明けを迎える一助けとして きょうされん専務理事 藤井克徳 「呉秀三を正確に知ってほしい」-本映画企画の最大の動機です。あの「座敷牢調査」から100周年という節目の力を借りて伝えたかったのです。 呉秀三の言動が現代日本にしてなんら色あせることなく、そっくり今に通用しており、「この国に生まれた不幸」は、見方によっては当時より も真に迫っているのではないでしょうか。呉秀三の言動が名実ともに古めかしく感じられる社会をどう作っていくか、障害当事者や家族の一人 ひとりが本当の夜明けをいかに実感できるか、本映画がその一助けになることを願っています。(日本精神衛生会理事) 今井友樹監督作品 夜明け前 呉秀三と無名の精神障害者の100年(ドキュメンタリー/2018年/66分) 今から100年前 精神病に有効な 治療法が無かった時代 座敷牢に 幽閉された精神病者を 救おうと奔走した 一人の男がいた お問い合わせ連絡先一覧(きょうされん広島県支部西部ブロック加盟事業所) *くさのみ作業所(0829)31-2800 *ピクトハウス(0829)34-0070 *夢 工 房(0829)74-1762 * いつかいちむぎの家作業所(082)928-1672 *あうるワークスペース (0829)30-9711 *さくら作業所(0829)31-5009 *コーヒーショップあんず 090-2293-0999 *にじのえき(0829)74-3030 *あいあい作業所(0829)54-1535