2023年2月17日 はつかいち福祉ねっと通信 No 58 発行 はつかいち福祉ねっと事務局(廿日市市障がい福祉相談センターきらりあ) 連絡先 電話番号(0829)20-0224 FAX(0829)20-0225 E-mail fukushi-soudancenter@h-kiraria.net ホームページ http://h-kiraria.net/wordpress/ 「ねっと通信」の個人宛メール配信希望者、募集 はつかいち福祉ねっと活動報告 模擬選挙企画(特別企画) 令和3年度に実施された国政選挙や地方選挙について権利擁護ワーキング等で障がいのある人の投票に関する意見が上がったことから、各障がい別会議(身体障がい部会 知的障がい部会 精神障がい部会)で、まず意見集約を行うこととなりました。その中で「郵便投票の制度の対象者が一部の身体障がい者以外にも緩和されると良い(もっと色々な人が活用しやすい制度になると良い)」「読み書きが難しく、判断能力が不十分のため投票所に行ったことはない」「投票は意思決定であり、権利である。今、投票できていない多くの人の選挙権が行使されるようになれば、世の中も変わってくるのではないか」などの声が上がりました。 その後、集約した意見を各部会 ワーキングの代表が集まる部会代表者会議で共有し、今後の取組に関する意見交換を行いました。 そして、初の試みとして、1月10日(火曜日)に山崎本社みんなのあいプラザで、模擬選挙企画「選挙の体験をしてみよう」を開催しました。コロナ禍のため少人数の方(2事業所の利用者のみなさん)に参加していただきました。広島名物大使を決めるというもので、前半に各候補者の選挙演説を聞き、後半にいよいよ投票 実際の投票所にある記載台や投票箱を設置し、選挙管理委員会と障害福祉課の職員がスタッフを務めました。無事に選挙が終わり広島名物大使が決まりましたが、参加者の中には「うまくできなかった」という方もいらっしゃり、障がいのある人たちに選挙の体験をしていただくだけではなく、投票所におけるスタッフの説明方法や投票の流れに関する掲示等について色々な課題を確認する機会になりました。 今後もこのような取組を継続し、実際の選挙で活かすことができるよう課題に対する検討を行いたいと考えています。また、障がいのある人に体験していただくことで実際の選挙へ行くきっかけづくりになるよう、模擬選挙企画の中身も改善させていきたいと考えています。 障がい別会議 身体障がい部会   定例会を開催し、まち点検(新広電宮島口駅 宮島まちづくり交流センター)の振り返りや今年度の取組まとめ、来年度の計画について話し合っています。まち点検の振り返りでは、アンケートで出された意見を確認し、市の担当課へ今後の建設計画に役立ててもらうよう情報提供を行いました。広電宮島口駅の意見については、障害福祉課を通じ広島電鉄へ伝えました。 また、今年度の活動内容について意見交換をしました。広島県立障害者リハビリテーションセンター「スポーツ交流センターおりづる」の出前教室については、例年ひかり園で障がい者スポーツの体験をしていましたが、コロナ禍になり開催が難しくなっている現状について話し合いました。障がい者スポーツを「まず知って、体験し、啓発する」ことを目指して活動していくということを確認し、今年度は、部会でおりづる出前教室の方にどんなスポーツがあるのか話をしてもらい、来年度、体験するスポーツを決めることとなりました。おりづる出前教室の方に来ていただく前に、どんなスポーツがあるのかあらかじめ知っておくため、スポーツ交流センターおりづるが作成している動画「アリーナでできるスポーツ紹介」を視聴しました。 知的障がい部会  知的障がい部会では、以前から医療機関に関する地域課題として「障がいのある人の受診しやすい医療機関(特に歯科、耳鼻科)が少ない。受診時、医師からの説明が、早口、専門用語多用、長い文章のため、本人に伝わりにくい」という声が上がっていました。また、歯科に関しては「市内に障がい者に対応している歯科はあるが、全身麻酔や笑気ガスを使用する専門的な治療を受ける場合は、広大障害者歯科、広島口腔保健センター等へ行かなければならず、親による付き添いの負担が大きい」「自閉スペクトラム症、強度行動障がいのある人等への対応に理解がある歯科が増えると良い(治療の内容や手順の見通しをもてるように写真 絵カードを使用した説明 スタッフの方による見本など)」という声が上がっていました。 そこで、まず、自分たちでできる取組として障がいのある人が利用している医療機関情報の収集を行ってきました(同時に理 美容院情報の収集も行い、現在、情報公開に向けて準備中です)。 そして、今後の取組として「医師会 歯科医師会との意見交換会ができるとよい」という意見が上がっていた経緯等から、佐伯歯科医師会との意見交換会(市主催)が開催されることとなりました。 その日に向け、知的障がい部会だけではなく、身体障がい部会、精神障がい部会からの声も集約し、部会代表者会議で共有しました。 11月9日(水曜日)の意見交換会当日は、福祉ねっとから代表で4名が出席し、事前に集約していた声を佐伯歯科医師会のみなさんにお伝えするとともに佐伯歯科医師会の現状を伺ったり、今後の取組に関する意見交換を行ったりしました。 なかなか解決が難しい課題もありますが、お互いの現状共有や意見交換を行うことで「こういうことであれば可能なのでは」(この度の意見交換会では「小さい頃や障がいの状況となった頃から身近にある歯医者に通い、本人も歯科の先生はじめスタッフもお互いに慣れていくことが大事」等)という前向きな話をすることができました。また、今後も引き続き意見交換の機会を設けていくということも確認できました。 ご多用のところ、意見交換会へ出席してくださった佐伯歯科医師会のみなさんに心より感謝しています。 精神障がい部会 定期的に部会を開催し、近況の報告 意見交換や情報共有を行っています。また、第3次廿日市市障がい者計画のPDCAシートを見ながら課題の整理等を進めていき、皆で取り組んでいけそうなことを話しています。 新型コロナウイルス感染症は、相変わらず各団体 事業所のみなさんの活動を妨げる要因となっており、それぞれ工夫していることを情報交換しています。 前号でも報告しましたが、各団体 事業所の皆さんが各自で撮影した動画の上映会に向けて少しずつ動いています。事業所に通われている利用者のみなさんが事業所を案内してくださる動画や、利用してみての感想、団体に対する想いなどを話しておられる動画など、団体 事業所ごとの特徴がよく出ているものとなっています。上映会は3月にさくらぴあで行う予定です。 課題別会議 医療的ケア児(者)部会 12月9日(木曜日)に関係者会議を開催し、医療的ケア児(者)に係る情報共有や、各関係機関の現状について意見交換等を行いました。また、広島県が実施した「医療的ケア児及びその家族の生活状況や支援ニーズに関する調査結果」を共有し、現状等に対する課題について検討する機会となりました。学習コーナーでは「障害福祉サービス 制度の概要」について、市障害福祉課から説明を受け、関係機関同士の情報共有を行いました。今後の取組として、研修の開催や、医療的ケア児 者の方が活用できる資料の作成等について検討していくこととなっています。 精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムワーキング 精神障がいのある方が、継続して住み慣れた地域で安心して暮らしていけるように医療、福祉 介護、住居、社会参加、普及啓発などそれぞれの分野について協議をしています。 障害福祉サービスの中に入院されている方が退院する時、あるいは施設に入所されている方が退所する時など、スムーズに地域で住めるように「地域移行支援」というサービスがあります。全国的に見ても、このサービスはなかなか利用がすすんでいません。現在ワーキングでは、地域移行支援について、どのようにすれば廿日市市での利用が進んでいくのか議論を重ねています。「病院等と地域との交流が少ないから?」「相談支援専門員さんの業務が過多になってしまうから?」「サービスの中身が知られていないから」等の意見が出る中で、自分たちで進めていけることはないか検討しています。「モデル事例を1例作ってみる」「病院に説明に行く」など様々なアイデアが出ており、これから具体的に進めていきたいと考えています。 訪問介護事業所連絡会  昨年度に引き続き、オンライン併用で隔月で定例会を開催し、事業所間で日頃の業務に関する情報共有を行っています。12月の定例会では、西部保健所より新型コロナウイルス感染予防対策についての講義がありました。ウイルスを「持ち込まない 持ち出さない 拡げない」ための対策として、防護服の正しい着脱、サービス利用者やご家族と日頃から感染時のシミュレーションをしておくことなど、大切なことを学びました。 今後の予定ですが、2月21日(火曜日)19時より、権利擁護ワーキングとの共催企画でオンラインによる虐待防止研修「虐待と向き合う みんなが笑顔になれる支援を目指して(講師 office夢風舎 土屋徹氏)」の開催を予定しています。また、年度末にかけて、来年度の取組等について協議をしていくことになっています。 防災プロジェクト 今年度、第2回目のプロジェクトを11月10日(火曜日)に開催しました。 佐伯地域に被害も発生した9月の台風を振り返り、各地域で行われている避難の呼びかけ体制づくりや防災訓練、学校で行われている防災学習など、それぞれの部署での取組や地域情報について、情報共有や意見交換を行いました。 今年度の最優先課題としてあげている「土砂災害レッドゾーンにお住いの障がいのある方で、自力避難が難しい方の個別避難計画作成」については、進捗状況を共有し、計画づくりについて協議しました。今後は個別に計画作成を進めていくため、プロジェクトの担当(健康福祉総務課 障害福祉課 きらりあ)を中心に、ミニプロジェクトとして実働していくことを確認し合いました。 現在、プロジェクトの担当メンバーが相談支援専門員など福祉専門職と一緒に1軒ずつお宅を訪問し、現地確認を行ったり、お話を聞かせていただいたりしています。障がいのある方が安心してスムーズに避難できるよう、皆で話し合いながら、避難場所や避難方法等についての具体的な計画を作り、いざという時のために備えていきたいと考えています。 地域生活支援システムプロジェクト  地域生活支援システムプロジェクトでは、プロジェクト立ち上げ当初から、優先度の高い緊急時の対応の体制づくりとして「廿日市市地域生活支援システム緊急時受入等事業」(平成30年度スタート)の検討を行ってきました。 その「廿日市市地域生活支援システム緊急時受入等事業」については、まだ一部の対象者の登録しか進んでいないという課題がありますが、仕組みに関する一定の整理ができたことから、7月28日(木曜日)と9月9日(金曜日)の地域生活支援システムプロジェクト 参加事業者調整会議合同会議でのグループワークを経て、11月24日(木曜日)の会議では次のステップとなる取組について協議しました。 そして、国が示す地域生活支援拠点(障害者の重度化 高齢化や「親なき後」を見据えた、居住支援のための機能をもつ場所や体制)の主な5つの機能(相談、緊急時の受け入れ 対応、体験の機会 場、専門的人材の確保 養成、地域の体制づくり)のうち緊急時の受け入れ 対応 専門的人材の確保 養成 地域の体制づくりの充実等を目的とした3つのワーキング「緊急登録すすめますワーキング」「福祉の魅力伝えますワーキング」「みんなのねがいききますワーキング」を立ち上げ、2年以内を目途とした具体的な目標を立て取組を進めていくこととなりました。 障がいのある人が地域で安心して暮らし続けることができるよう、廿日市市の現状や課題を踏まえながら、1つ1つ取組を進めていきたいと考えています。 相談支援部会 11月の部会で主任相談支援専門員が企画した事例検討会を行いました。参加者全員が発言する事例検討会は、他の相談支援専門員等の意見を聴ける貴重な会となりました。 また、避難行動要支援者の個別避難計画について健康福祉総務課の地域福祉グループ職員から説明を受け、土砂災害レッドゾーンの方の個別避難計画作成に取り組み始めています。 障害者週間ワーキング 11月9日(水曜日)から11月20日(日曜日)に、はつかいち みやじま情報センター(宮島口旅客ターミナル2階)にて事業所 団体紹介、事業所製品等の展示、映像による啓発、啓発ポスター展示をしました。今回で2度目となりますが、10日間で約3,800人の方が来場してくださいました。観光客も多く来場し、廿日市市以外の方への啓発も行うことができました。 11月25日(金曜日)には、廿日市市役所前広場 1Fロビーにて事業所製品販売による啓発を行いました。前回は市役所1Fロビーのみでしたが、「市役所の前を通る人にも知ってもらいたい」という思いから、市役所前広場で販売を行いました。天気もよく、日向は暖かく販売しやすかったです。久しぶりの販売ということで、利用者のみなさんもお客さんとの触れ合いを楽しんでいました。 12月3日(土曜日)には、ゆめタウン廿日市2階フロアスペース(ユニクロ前)にて、手話やロービジョンの体験コーナー、事業所 団体紹介、事業所製品等の展示をしました。ゆめタウン廿日市がオープンしてから行っているこの企画ですが、お店の協力も継続していただき、今回で8回目となりました。今年は体験コーナーもコロナ禍前のような形で復活させることができ、たくさんの方に体験をしてもらうことができました。 発達障害啓発週間ワーキング 例年 発達障害啓発週間(4月2日から 8日)に合わせて、山崎本社みんなのあいプラザ、新宮中央公園、はつかいち美術ギャラリー、市民ホール(はつかいち市民図書館前)、はつかいち みやじま情報センター(宮島口旅客ターミナル)において、自閉症をはじめとする発達障がいの啓発活動を行うため、障がいのある方の作品展「はつかいちカラフル アート展 発達障害啓発週間 作品展」を行っています。 次回の作品展が第4回になり、活動の継続により障がいへの理解 啓発につながっていると感じます。1月中旬に作品展の出店作品の募集をしました。 2月下旬にワーキングを開催し、作品展の出展者や会場のレイアウトなどを確認していきたいと考えています。  障がい別会議リレーずいそう N0.20 今回の障がい別会議リレーずいそうは、身体障がい部会に所属されている、二神さんに寄稿いただきました。  はつかいち福祉ねっと身体障がい部会へ所属しておりますNPO法人 広島県難聴者 中途失聴者支援協会廿日市支部 代表 二神貴美子です。40代後半から難聴が発生して、現在は両耳とも失聴をしており人工内耳装用者です。一般社団法人 広島聴覚障害者協会社員理事をしており、広島県の聴覚障がい者に関する情報がいち早く入り、身体障がい部会で情報共有をしています。 難聴障がいを持つ私は、部会や会議は要約筆記通訳派遣のお世話になり、聞こえなくても会議内容も理解でき、助かっております。コロナ禍の中、会議や講演会などはオンラインや現地参加に分かれて、感染予防に努めながら工夫し実施をしており、要約筆記者は、コロナ感染リスクが伴う中、いつも通訳に来ていただけるので有難いです。難聴組織の理事会では、3年前からZOOM理事会を実施しており、要約筆記者も自宅から通訳行為を行なっております。このように要約筆記者の感染リスクを下げることは、当事者の難聴者の務めです。同じ聴覚障がい者同士の会議なので、パソコン画面の3分の2は、要約筆記通訳の文字がでます。 昨年10月、楽しみにしておりました「まち点検」の広電宮島口と宮島まちづくり交流センターの視察が叶いました。広電宮島口は、広々とし、電光掲示版へは出発順に文字表示もされておりました。しかし、丁度視察のおりには、車両とホームの段差のある電車が停車しており、車いすを利用している方から、段差のない低車両の電車の時刻に合わせて乗車していることを教えてもらいました。事前に連絡を入れて、支援をお願いされる苦労があるのも分かりました。1時間に低車両電車が何便あるのか?それも気になり、当事者からの視点で意見を聞くと、普段気が付かないところに目がいきます。まち点検の終了時に点検箇所をアンケートへ細かく記載することで、改めて細かいところにも目が届き集中できます。 宮島まちづくり交流センターは展望台があり、その眺めは最高でした。一般の観光客が展望台見学もでき、建物の作りも素晴らしかったです。それぞれの障がい種別の部会メンバーからセンター職員さんへ、熱心に質問をしていました。視察後、部会では、まち点検へ身体障がい部会だけではなく、精神障がいの支援者や知的障がい者の保護者や支援者らの同伴視察を、声掛けしていきたいという意見が多数でました。市障害福祉課より、障がい当事者と同伴しての視察だからこそ、多くのことを学ぶ良い経験ができたとご意見をもらいました。多くの障がい者が利用しやすい施設が整うのは、健常者にとっても使い勝手の良い施設となります。 私が所属しております広島県難聴者 中途失聴者支援協会と広島市中途失聴者 難聴協会の合同で、難聴者の全国大会が2024年11月に実施することが決定し、3日目の観光地が、廿日市の宮島に決まりました。実行委員会議で、人気のある観光候補地がいくつかあげられましたが、大会実行委員の頑張りで、観光を格安で楽しんでもらうため、候補地を宮島1つに絞り込みました。市観光課から廿日市観光協会や宮島観光協会を教えていただき、全国から参加する難聴者が、廿日市観光で思い出となるように観光プランを提供していきたいと思います。 私が、平成19年難聴組織加入1年目に広島市で全国難聴女性大会があり、実行委員としての経験が現在の私自身の福祉活動 難聴活動の生きがいとなり、大変なことも多いですが、自分ができることから諦めずこつこつと実行していけば、不自由差が少しずつでも軽減される社会になると願っています。当事者からの声を上げる勇気を常に持ち、いきやすい廿日市を誇りにしたいです。