はつかいち福祉ねっと通信62号 2024年2月9日発行 はつかいち福祉ねっと活動報告 みんなのスポーツ体験会 スポーツ施設の利用経験の少ない障がいのある方に運動の機会を提供し、継続的なスポーツへの参加を促進するため、今年度から市スポーツ推進課が、月1回、グローバルリゾート総合スポーツセンターサンチェリーのメインアリーナで、障がい者スポーツ「みんなのスポーツ体験会」を開催しています。 ボッチャ、ウォーキングサッカー、モルック、カローリング、ビーンボウリングなどたくさんの種目が用意されており、それぞれにスポーツ指導員やスポーツ推進委員が配置され、競技のルールや高得点を狙うコツなどを教えてくれます。 福祉サービス事業所の利用者の方や個人で申し込まれた方などが参加され、それぞれの種目をゆっくり楽しまれています。 はつかいち福祉ねっと障がい別会議の身体障がい部会では、今年度の取組に障がい者スポーツの普及・啓発に向けて、まず自分たちで体験してみるという取組を計画していました。そして、1月の「みんなのスポーツ体験会」へ部会メンバーが広島ひかり園の皆さんと一緒に参加し、ボッチャの体験をしました。 ヨーロッパで生まれたボッチャは、年齢、性別、障がいのあるなしにかかわらず、すべての人が一緒に競い合えるスポーツで、現在ではパラリンピックの正式種目です。ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤・青のそれぞれ6球ずつのボールを投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりして、いかに近づけるかを競います。障がいによりボールを投げることができなくても、ランプ(勾配具)を使い、自分の意思をランプオペレーターに伝えることができれば参加できます。 スポーツ指導員の方からコツを教わりながらボッチャの対戦をしました。歓声が上がったり、ため息が出たり、真剣な眼差しで狙いを定めます。参加した広島ひかり園の職員さんは「日常とは違う利用者さんの表情に驚いた。コロナ禍で外出やスポーツ体験が制限されていたため、やっと体験できてよかった。夕食がいつもよりおいしく感じるね」と笑顔で言われていました。体験された方からは「ウォーキングサッカーをしたことがなかったので、初めて体験して良かった」「モルックが楽しかった」と感想を言われていました。 その他の種目も体験し、ゆっくりと体を動かしました。限られた時間ではありましたが、たくさんの種目が体験でき、障がい者スポーツを知る、体験する、いい機会になりました。 来年度は、まだ体験されたことのない方を誘い、一緒に参加できるとよいです。   部会代表者会議 11月16日(木)、1月25日(木)に部会代表者会議を開催しました。会議では、2月9日(金)の全体会の内容確認や意見交換を行いました。全体会で当事者発表を行うことについて「当事者の目線で話が聞ける機会があることはとてもよいことだと思う」「幅広い人に聞いてもらいたい」等の意見がありました。その他、障がい福祉計画の進捗状況等について市障害福祉課から報告がありました。昨年度よりはつかいち福祉ねっとで取り組んでいる模擬選挙(1月26日(金)開催)については、内容やテーマについてみんなで共有しました。   障害別会議 身体障害部会  2年前に建物図面を点検した「まるくる大野」が市民センター・図書館・体育館などの複合施設として開館しました。担当課へ意見を述べた箇所がどのようになっているか、確認をすることも含めてまち点検に出かけました。現地へ交通機関を利用していく方は「おおのハートバス」を利用し、障がいのある方に乗りやすい交通機関かどうか確認しました。点検にはチェックリストを使用し、意見の集約をしました。出された意見を施設担当者と共有する予定です。 定例会では、今年度「第7期廿日市市障がい福祉計画・第3期廿日市市障がい児福祉計画」の策定年になっており、今までに出された地域課題や意見を、時間をかけて確認や見直しを行いました。部会メンバーからたくさんの意見が出され、意見交換が活発に行われました。 “障害者週間”ワーキングのイベントでは、山崎本社みんなのあいプラザ1階ロビーでの展示による啓発活動に視覚障がい者の会「椿会」の参加がありました。今年度は、展示のみの啓発となり体験イベントはできませんでしたが、山崎本社みんなのあいプラザへ来館された方に見てもらえるよう工夫し展示しました。 2月の全体会で、障がいのある方が日々どのような暮らしをしているかを紹介する企画が発案され、部会より発表をすることになり、どのような発表にするか話し合いました。それぞれの障がい(身体・視覚・聴覚)の方とのディスカッションにより日々の生活を紹介していく形式に決定し、発表に向けて取り組みました。   知的障害部会  『サービス利用に関するアンケート』(「福祉サービスを利用したくても利用できない状況の実態調査」)を部会の中で行ったところ、128件の回答がありました。集計結果の概要を共有し、障がいのある人たちが地域で安心して暮らすために、一人ひとりに必要なサービスが利用できるよう行政と一緒に取り組んでいくことが大事だということを確認しました。そして、今後の知的障がい部会の取組や、毎年実施している第3次廿日市市障がい者計画・第6期廿日市市障がい福祉計画・第2期廿日市市障がい児福祉計画のPDCAサイクルによる見直し、次期計画策定の参考にしたいと考えています。  また、1月26日(金)の『模擬選挙企画』(主催:廿日市市選挙管理委員会事務局・はつかいち福祉ねっと事務局)に参加しました。当日は8事業所、総勢40人が選挙の体験を行いました。実際の選挙投票の流れを経験することで、障がいのある本人も選挙管理委員会事務局等の職員も、今回の体験から実際の選挙にも活かせるような多くの学びを得ることができました。当日の様子については、次号でお知らせします。   精神障害部会 11月10日(金)、精神障がい部会の交流企画を行いました。令和元年度に企画を行って以降、新型コロナウイルスの拡大等により自粛が続いていましたが、この度4年ぶりに部会のみなさんからの希望もあり開催となりました。 有志の実行委員メンバーで事前打ち合わせをし、令和元年度に行った蜂が峯公園で再びレクリエーションを行う予定でしたが、雨天の可能性が高くなったため、開催するかどうか意見を出し合いました。そして、「予定通りに開催したい」との声を受け、急遽浅原市民センターに場所を変更し、参加者62名で計画していたレクリエーションを行いました。午前は事業所紹介を行った後、〇×ゲームを楽しみました。館内でお弁当を食べ、午後からはペットボトルリレーやロープリレーなどを事業所対抗で行いました。休憩時間にも歌の披露があったりと、盛りだくさんの企画でした。「参加してくれた皆さんのおかげで成功したように思う。皆で作り、皆で盛り上げ、皆で楽しむ。まさに自作自演の交流企画だった」「たくさんの笑顔が見られてよかった」などの感想がありました。実行委員のみなさん、参加者のみなさん、事前の準備や当日のレクへの参加・サポートなど、ありがとうございました。 課題別会議 医療的ケア児者部会 11月21日(火)に関係者会議を開催しました。 昨年立ち上がった広島県医療的ケア児支援センターについて、市障害福祉課から紹介がありました。このセンターの機能や活用方法等について「地域の皆さんと共有できるとよい」という関係者からの声を受け、2月28日(水)にミニ学習会を開催する予定です。 また、これまでの関係者会議で共有した地域課題等について資料をもとに振り返りを行い、考えられる解決策等について検討しました。関係機関同士で情報共有を行う中で、新たな課題についての意見交換も行いました。 訪問介護事業所連絡会  訪問介護事業所連絡会では、隔月で定例会を開催しています。 10月の定例会では、福祉の人材が不足していること等について、事業所間で現状の共有を行いました。「介護分野の資格取得について教育訓練等給付金の活用もあるが、すべて助成対象にはならず金銭的な負担が大きい」「求人応募者が少ない。事業所内の他職種で勤務している人に介護職への転換もすすめることがある」「子育て経験のあるお母さん達に、日中の空いている時間でヘルパーの活動をしてもらえるとよい」等の意見がありました。  12月の定例会では研修開催について協議しました。虐待防止研修については、引き続き「今年度も権利擁護部会と共催で行えるとよい」との意見でまとまりました。3月7日(木)18時半から、権利擁護ワーキングと共催で、グループワークを中心とした研修を開催予定です。制度学習会については、来年度が障害福祉サービスの報酬改定の時期なので、来年度の始めに開催する予定となっています。 防災プロジェクト   9月と12月にプロジェクトを開催しました。引き続き、それぞれの部署での取組について情報共有するとともに、「障がいのある人の避難支援について」をテーマに協議・検討しています。 12月の会議では、これまでの各障がい別会議や計画推進会議で出された当事者からの意見や地域課題についても共有しました。 また、昨年度から着手している「土砂災害特別警戒区域にお住いの障がいのある方で、自力避難が難しい方の個別避難計画作成」については、危険区域在住で重度の障がいのある方のお宅を訪問していくこと、そのためにも日頃からみんなで防災意識を高めていけるような取組が必要であることを確認し合いました。 地域生活支援システムプロジェクト 緊急登録すすめますワーキングでは、「廿日市市地域生活支援システム緊急時受入等事業」の対象者の登録をすすめるために改めて登録対象者や登録が進みにくい理由の把握、周知に向けたチラシ作成を行うこととなり、10月に相談支援専門員を対象としたアンケートを実施しました。今後、アンケート結果をワーキングメンバーで共有し、取組を進めていく予定です。 11月29日(水)に福祉の魅力伝えますワーキングを開催しました。このワーキングでは、“障害者週間”イベント等の色々な場面で活用できるポスターづくりを行うこととしており、ポスターの内容検討のための材料として、社会資源(過去のイベント・各事業所の取組等)の情報収集から始めることになりました。ワーキングメンバーそれぞれで把握している情報や所属している事業所等で実際に取り組んでいることなどを1枚のシート(Googleスプレッドシート)に入力する作業と入力した内容の共有を行いました。この内容を整理し、ポスターのイメージや活用方法のアイディアを膨らませていきたいと考えています。 また、1月10日(水)には、みんなのねがいききますワーキングを開催しました。このワーキングでは、事業所単位で障がいのある人の願いを聞く機会を設けることとしています。佐伯地域にある、あおぞら・きらほしで第1回目の会を開催するにあたり、障がいのある人たちに聞く内容等について話し合いを行いました。 各ワーキングとも2年以内で達成できそうな目標を定め、着実に取組を進めているところです。 相談支援部会 12月の部会では、障がいのある方の支援に関する協議を行いました。同居する家族の緊急事態に備えて、地域生活支援システム緊急時受入等事業への登録の必要性や、登録に関する相談支援専門員の率直な悩みを共有することができました。また、すぐに登録に繋がらなくても障がいのある人やそのご家族に確認しておく必要のある項目などを共有しました。1月には、健康福祉総務課から個別避難計画の説明を受けた後、令和6年度から義務化となる自然災害BCP作成の進捗確認や日頃の業務に関する情報交換を行い、今年度の相談支援部会を締めくくりました。2〜3月は新年度に向けて、サービス等利用計画作成や相談支援業務に専念しています。 権利擁護ワーキング 9月21日(木)、12月14日(木)にワーキングを開催しました。 9月の定例会では例年開催している権利擁護研修について協議を行いました。訪問介護事業所連絡会の中で「虐待防止研修が継続できるとよい」との声があったことを受け、ワーキングの中でも同意見があり、訪問介護事業所連絡会との共催という形で研修を開催することになりました(日程については訪問介護事業所連絡会の報告をご参照ください)。また、「改めて原点に立ち返り、権利擁護全般について幅広く学べるとよい」などのご意見もありました。 これまで学習・啓発を目的に研修会の開催を中心に行ってきましたが、「改めて権利擁護ワーキングのあり方について意見交換できれば」という意見があり、12月の部会ではこれまでのワーキングの取組の振り返りを行ったうえでメンバー間での意見交換を行いました。 障害者週間ワーキング “障害者週間”に合わせ、12月4日(月)から11日(月)まで、山崎本社みんなのあいプラザのロビーにて、13の事業所や団体のパネル展示を行いました。 パネル展示では、各事業所や団体の活動内容や、利用者の取組などの紹介を行いました。就労継続支援B型や生活介護の事業所のパネルでは、利用者が制作している製品や、利用者が働く様子、行事やイベントの様子を写真などで紹介を行いました。 展示期間中は多くの来場者があり、パネルに熱心に目を通す姿が多く見られました。 今回は、事業所製品の販売や、手話やロービジョンの体験コーナーなどを設けることができませんでした。今後は、より多くの方に障がいに関する理解を深めていただくため、こうした取組も検討していきたいと考えています。   発達障害者週間ワーキング 例年“発達障害啓発週間”(4月2日〜 8日)に合わせて、自閉症をはじめとする発達障がいの啓発活動を行うため、障がいのある方の作品展「はつかいちカラフル・アート展〜“発達障害啓発週間”作品展〜」を行っています。 下記の予定で開催しますので、ぜひお立ち寄りください。 開催期間:2024年4月2日(火)〜4月18日(木) 【新宮中央公園】 4月2日(火)〜8日(月)  ライト it up ブルー広島 in 廿日市市 【はつかいち美術ギャラリー・市民ホール(はつかいち市民図書館前)】 4月3日(水)〜8日(月) 「はつかいちカラフル・アート展〜“発達障害啓発週間”作品展〜」【はつかいち・みやじま情報センター(宮島口旅客ターミナル)】 4月12日(金)〜18日(木) 「はつかいちカラフル・アート展〜“発達障害啓発週間”作品展〜」 次回の作品展が5回目の開催となり、活動の継続がより障がいへの理解・啓発につながっていると感じます。 ただいま作品の出展募集をしています。お問い合わせは、はつかいち福祉ねっと事務局(きらりあ)までお願いします。   障害別会議リレーずいそう22号 今回の障害別会議リレーずいそうは、精神障害部会に所属されている、にじのえきのメンバーさんに寄稿いただきました。 初めまして、にじのえきの1メンバーです。 ぼくが統合失調症になったのは、1995年の秋ぐち、埼玉県の大学に通う学生の時でした。 最初は幻聴が聞こえ始め、いろいろな所で自分のことを、どこへ行ってもうわさされているように感じ始めて、朝から晩までずっと聞こえだしました。ある時、がまんできなくなって、ゼミの担当の先生に相談しました。先生が心配して母に連絡を入れると、母がすぐに埼玉まで飛んできて、すぐに埼玉の精神病院に連れていかれました。そして、少したって幻聴がひどくなっていき、広島に帰ってすぐに安佐病院に入院しました。 このころが一番幻聴がつらかった時です。少しうつの状態も出て、自殺したいと思いました。でも死にきれませんでした。深く説明すると、自分のことを7人ぐらいの人が心の中で、こう言った、ああ言ったと話しているように聞こえてきて、とてもつらくて寝てばかりいました。まさに地獄のような時でした。薬を飲んでゆっくりとして、1年間すごしました。 少し落ちついてきて、でも今度はストレスでお菓子などを食べすぎて、25キロくらい太りました。安佐病院を退院するころは、一時期の幻聴は少し治まっていました。それから、いつのまにか廿日市の佐伯に引っ越しました。2年くらい祖母と暮らしました。それからは一人暮らしをしています。 この時期からにじのえきに通所し始めました。1996年か1997年くらいのことでした。にじのえきに入ってからも、何度か友和病院に2〜3年ぐらい入退院をくりかえしていましたが、少しずつ体調や幻聴が治まってきました。自分にとてもあった薬にもめぐまれました。 にじのえきでは、いろいろな人と出逢って別れて色々な作業をしてきました。最近は体調がずいぶんよくなって、幻聴は全く聞こえなくなりました。 よく考えてみると幻聴は、重いストレスが原因でおこるものだと思いました。思い返してみると、大学に通っている時期はとても無理をしていたと思います。 現在、にじのえきでのお給金は、好きなことに使えるように両親がしてくれているので、がんばればがんばるほど楽しみや趣味に使えるので頑張りがいがあります。 ぼくがこれだけ回復できたのも、家族やにじのえきの職員さん、周りのメンバーさんたちや病院関係の皆様、担当医さん、地域の人たちのおかげだと感謝しております。これからもにじのえきでがんばっていきたいと思います。これからもよろしくお願いします。 事業所リレーずいそう 43号 児童デイサービスきらめき ■挨拶 この度、「アダージョ」の松下様よりバトンをいただきました、「児童デイサービスきらめき」の三宅です。きらめきは2011年11月に、大野に開所しました。 ■名前の由来 「その子の中にあるきらめきを見つけて、より輝かせたい」との思いでつけました。 ■活動方針 きらめきは、子どもたちにとって、『たくさんのことにチャレンジできる場所』であることを目指しています。色々な活動にチャレンジして、好きなことを見つけ、それを伸ばしていってもらいたいと思っています。 また、トラブルが起こったときはコミュニケーション能力を向上するチャンスと考え、自分の気持ち、相手の気持ち、その前の状況、どうすれば良かったかなど一緒に考えるようにしています。 ■活動内容 きらめきは、2階建ての民家で活動しています。1階では主に工作やクッキング、2階ではパソコンによる活動を行っています。パソコンでは色々なことが学べます。タイピングやプログラミング、ロボットを動かしたりもできます。 また、室内より外での活動が好きな子は、小田島公園に行ったり、魚釣りをしたりすることもあります。(みんなで活動するときは、個別に活動している子にも声をかけます。) ■未来に向けて コンピューターの世界ではAIがとんでもない進化を遂げる一方で、地球上では大災害が増え、今の子どもたちが大人になる頃、どんな未来が待っているのか想像もできません。どんな未来が待っていようとも、「チャレンジする力」と「みんなと仲良くする力」は、役に立つのではないかなと思っています。きらめきは今後も子どもたちを応援し続けます。