2025年7月4日 はつかいち福祉ねっと通信 No 68 発行 はつかいち福祉ねっと事務局(廿日市市障がい福祉相談センターきらりあ) 連絡先 電話番号(0829)20-0224 FAX(0829)20-0225 E-mail fukushi-soudancenter@h-kiraria.net ホームページ http://h-kiraria.net/wordpress/ 「ねっと通信」の個人宛メール配信希望者、募集中 令和6年度 はつかいち福祉ねっとの取組報告 全体会 令和6年度も年2回の全体会を開催しました。7月の全体会は現地開催のみとし、5年ぶりのステージ発表を行いました。そらまめ宮内(就労継続支援B型事業所)と、Hanaと花舎(就労継続支援B型事業所)の発表に会場から大きな拍手が沸き上がり、久しぶりのステージ発表と事業所紹介に会場全体が盛り上がりました。参加者の感想には、「作成された動画がわかりやすく、1日の流れや仕事内容、事業所の様子など、楽しく見ることができた」、「皆さんの歌と演奏がすばらしく、感動した」、「利用者さん、職員さんがとても良い雰囲気で、和気あいあいと活動されていることがわかった」などがありました。 また、令和5年度の取組と令和6年度の取組計画について、各部会代表者から報告しました。 一年間の活動を発表することで、各部会、ワーキングの取組を知ることができ、また、福祉ねっとのメンバーではない方へ活動を知ってもらう良い機会となりました。 2月の全体会は、ハイブリット方式での開催とし、ピックアップ部会の報告と研修を実施しました。ピックアップ部会として地域生活支援システム部会の報告をしました。地域生活支援システム部会の目的は、国が示した「地域生活支援拠点等」を整備するため、本市に必要な地域生活を支援するシステムのあり方等を検討し、「障がいのある人が、地域で安心して暮らし続けることができる仕組み」をつくることです。 部会とは別に取り組んでいる3つのワーキング「緊急登録すすめますワーキング」からは廿日市市緊急時受け入れ等事業の登録者数を増やす取組として、周知のためのチラシ『もしもしえん』について、「福祉の魅力伝えますワーキング」では、人材不足解消に向けた取組として福祉の魅力を多くの人に広める取組について(後ほどの地域生活支援システム部会で掲載)、「あなたのねがいききますワーキング」は、障がいのある方が自分の願いや思いをだれかに聞いてもらう体験が少ないことから、みんなの願いを聞くことを大切にしつつ、一人ひとりの願いを増やし充実させるために、いくつかの事業所で「あなたのねがいをきく会」の報告を行いました。 研修では、「越えられない壁はない」と題して、元山淳さん(独立行政法人国立医療機構 賀茂精神医療センター)に、合理的配慮についてのお話をしていただきました。元山さんご自身の体験談をもとに語っていただき、「相手の立場にたって考えることは難しいことだが、他の人の生活を支える時には大切なことと考える。共に喜び合い、共に怒れる仲間がいることを忘れなければ、生き生きした地域社会が形成できると思われる」という言葉がとても印象的でした。参加者からも「実際の経験を踏まえたご自身のお話がとてもわかりやすく、参考になった」、「改めて福祉に関わるための原点にふり返ることができた」等の感想が寄せられ、たいへん好評でした。 部会代表者会議 令和6年度は「第4次廿日市市障がい者計画」の策定年度のため、11月の会議は計画推進会議へ変更し、年3回 (5月、6月、2月)の会議を開催しました。 各部会の取組状況を共有しながら、全体会等の福祉ねっとの取組全般に関わる内容や、部会、ワーキングの枠を超えた共催企画等について協議しました。 計画推進会議 令和6年度は「第4次廿日市市障がい者計画」の策定年度であることから例年より会議回数を1回増やし、年3回の会議を開催しました。また、「第3次廿日市市障がい者計画」の進捗を確認し、現状の地域課題に対する取組等が次期計画に反映されるよう、意見交換を行いました。 この会議は、各障がい別会議等であがっている意見等を一堂に会して共有できる機会となっています。3月21日(金曜日)の計画推進会議の意見交換では、福祉の人材不足がより顕著になっている現状を踏まえ、「特にヘルパー派遣を行っている事業所については、全国的に見ても報酬の引き下げによる閉鎖や倒産が目立っている。事業所の切実な声も聞いている」「報酬の少なさも関連して、人材不足が解消されない」等の意見が多数ありました。 また計画全体について、「障がいのある人や家族、支援機関等の課題解決の視点で評価できる仕組みの検討が必要」との意見があり、今後その評価方法を具体的に検討していく方向になりました。 障がい別会議 身体障がい部会 令和6年度になり早々に、大野西市民センターと集会所の改修工事について意見が聞きたいと市担当課の方が部会に参加されました。トイレやエレベーター、点字ブロックなどを中心に意見交換を行いました。「出来上がってからの改善は難しくなるので、設計の段階で意見を聞いてもらうことはありがたい」と部会メンバーより意見がありました。 8月に実施した「吉和ふれあい交流センター」へのまち点検では、行きを広電バスと吉和さくらバスを利用し交通機関の実態を調べました。センターの点検ではトイレの広さやおむつ替えのベッドの大きさ、避難誘導など、いつも意見が出る項目で改善は難しいかもしれませんが、出された意見を市担当課へ伝えました。      令和6年度は「第4次廿日市市障がい者計画」の策定年度であったため、定例会では今までに出された地域課題や意見を確認し、見直しを行いました。また、部会の取組としてまち点検をしていることを啓発するパンフレットの作成と、新規建築物を設計する時に役立ててもらうことを目的としたチェックリストの作成に着手しました。障害者週間のイベント(ゆめタウン廿日市)では、手話体験に佐伯地区ろうあ協会、ロービジョン体験に視覚障がい者の会「椿会」が参加しました。3月に行われる「あいプラザ消防訓練」へは毎年参加しており、障がいのある人が安心して避難するためにはどのような配慮や工夫が必要か、意見を出し合っていこうと思います。 知的障がい部会 令和6年度は5年ぶりの事業所見学を実施し、市内のグループホームと、生活介護事業所に行ってきました。参加者からは、「久しぶりの見学会で新鮮な気持ちになった」「色々な事業所を見ることで知識が広がる」という感想があり、今後も事業所見学を継続していくことの大切さを確認しました。 また、佐伯歯科医師会との意見交換の継続や、新たに佐伯地区医師会との意見交換に参加し、少しずつではありますが、つながりづくりを進めていきました。 12月には、精神障がい部会との合同企画として、利用者向けの学習会「インターネットや携帯電話などのトラブルについて」を開催し、講師に廿日市警察署の横山警部と、廿日市市消費生活センター職員の溝下さんに来ていただき、インターネットのトラブルや闇サイト等の犯罪の現状と予防、対策等を学びました。警察署や消費生活センターと繋がることができ、「これは、詐欺?どうかな?」と思った時に相談できる場所が増えたことなど、とても有意義な学びの場となりました。「第4次廿日市市障がい者計画」の策定年度として、第3次廿日市市障がい者計画の進捗を確認し、地域課題や意見等を出し合いました。 精神障がい部会 月に1度定例会を開催しました。計画策定に向け地域課題についての意見交換を主とした協議を行いました。 その他、5月2日(木曜日)には、情報共有の目的で部会メンバーの希望により構成団体、事業所の取組報告をグループワークで行いました。 8月1日(木曜日)には部会内の勉強会として、こころーれ廿日市の井原直樹さんより精神科訪問看護の取組について話をしていただきました。  また、11月20日(水曜日)には広島市植物公園にて精神障がい部会の交流企画を行いました。午前は事業所紹介を行った後、事業所&植物公園のクイズ(丸罰ゲーム)を楽しみました。お天気にも恵まれ広場でゆっくりお弁当を食べ、園内散策を楽しみました。 課題別会議 福祉就労事業所連絡会 令和6年度は、年5回の定例会を開催し、取組の共有や近況報告を行いました。また、障害者週間イベントを12月7日(土曜日)にゆめタウン廿日市で開催し、13事業所の展示と2団体の体験を通じて、啓発を行いました。多くのお客様に来ていただき、イベント終了後も、事業所に来ていただけるなど、良い啓発の機会になりました。 12月からは宮島口のはつこいマーケットの販売事業所数が10事業所に増え、商品を知っていただく機会が増えました。 今後も啓発、販売の機会の確保や共同で行える仕事の獲得などを行っていきます。 特別支援学校進路関係機関連絡会 令和6年4月には廿日市特別支援学校阿品台分校が開校し、令和6年度からは本校、分校ともに連携して年4回の連絡会を開催しました。連絡会では、市内の日中活動系事業所が年々増えていること、法定雇用率の引き上げ等により一般就労を含めた選択肢も増えてきていることから、さらなる連携の必要性を確認しました。 また、夏休み期間中に開催する夏休み連絡会は、コロナ禍以降、ハイブリッド方式を継続しており、令和6年度も多くの事業所や関係者等が集まりました。市内の日中活動系事業所や相談支援事業所のほか市外の特別支援学校にも参加を呼びかけて開催し事業所空き状況や就労に関する情報や進路指導の状況など、幅広く情報共有ができました。 こども発達支援部会 令和6年度も発達障がいのある人の相談窓口リーフレット「ポジティブライフガイド」を、乳幼児健診に来られる保護者や保育園、幼稚園、小中学校の保護者等へ配布しました。 保護者への情報提供や各関係機関の連携を進めるためのツールとして作成した「ポジティブライフガイド発達障がい支援ハンドブック(こども編)」(サポートファイル情報も掲載)は、各支援機関や保護者のほか教育相談でも必要な方へ配布しました。 事業所職員の資質向上や連携等のしくみづくりを目的に、年3回定期開催している障がい児支援関係事業所連絡会では、行政報告や事業所紹介、事例(個別支援計画)報告、グループワークを行いました。グループワークでは、令和6年度の報酬改定後の各事業所での取組や、個別支援計画に基づく支援、各事業所における虐待防止研修、地域移行・地域とのつながりの取組など、様々なテーマで話し合いを行いました。 また、保護者向け学習会は、市障害福祉課(精神保健福祉講座)との共催で「明るい今〜未来のために 親が今できること、子どものために利用できるモノ、コト(制度、資源)」(講師 広島県手をつなぐ育成会 金子麻由美さん、柏田潤子さん)をテーマに開催し、会場, オンラインで13名の参加がありました。ポジティブライフガイドに掲載している相談窓口の紹介も行い、有意義な時間となりました。 医療的ケア児(者)部会 9月2日(月曜日)に関係者会議を開催しました。県で実施されている医療的ケア児への通学支援について支援機関で共有を行いました。また、会議内の学習コーナーとして、市こども課から保育園入園の手続き・流れについて説明がありました。 11月29日(金曜日)、1月27日(月曜日)に開催した部会では、市内の医療的ケア児者の状況や各機関の進捗の確認を行いました。また、これまでの部会の中での「ライフステージごとの相談先等について保護者の方等が見通しを持てるような資料があるとよい」等の意見を受け、今後の資料作成に向けて、まずは関係機関同士で現状の支援の流れについて確認、共有を行いました。研修実施についても協議を行い、令和7年度に入り、5月23日(金曜日)にほっと、いけあひろしま(広島市重症心身障害児者センター)の支援や取組についての研修を開催しました(詳しくは、次回の通信で改めて報告します)。 精神障がいにも対応した地域包括ケアシステム部会 令和6年度も引き続き、定期的に事例を通じて、地域課題について検討を行いました。他職種からの意見や視点を共有しながら、多角的な支援の方向性などの検討を行うことができました。また、「第4次廿日市市障がい者計画」の策定に向け、関係機関同士で日頃の業務の中で感じている地域課題や、「こんな支援先や地域資源とつながれてよかった」ケースなどを整理・共有しました。 7月29日(月曜日)にこころホスピタル草津(旧 草津病院)の新棟の内覧会に部会のメンバーで参加し、精神科救急病棟の施設を中心に見学をしました。 3月12日(水曜日)にはあさみやフーズ株式会社 self-A広島 海(多機能型 就労継続支援A型、B型)五日市の見学へ行きました。メンバー間で地域資源を共有する有意義な機会となりました。 余暇情報一覧作成ワーキング 3月12日(水曜日)にワーキングを開催しました。今年度は余暇情報の一覧作成に向けて、情報の収集を行っていましたが、改めて一覧にする際の書き方等について検討しました。いろいろな機関などで行われている障がいのある人が参加しやすい市内、市外の余暇情報をメンバーで共有し、当事者の方がどんな活動を希望されているかなど、意見交換しました。地域の活動については情報をすべて公開することの難しさもありますが、引き続き余暇情報を収集していくこととし、みんなのスポーツ体験会などの公的なイベントや催しについては、福祉ねっと構成団体へ情報発信しました。 また、企画がしたいとの意見もあり、既存のイベントにみんなで参加して、一緒に企画を行うなどの方法についても話し合いました。 訪問介護事業所連絡会 10月22日(火曜日)、10月24日(木曜日)に、救命講習を開催し、連絡会から20名のヘルパーさんが参加をしました。日頃から救命処置の流れを意識しておくことが大切であることを、改めてみんなで学びました。 定例会については、取組内容についての協議、事業所間の情報共有等を目的に、例年通り隔月1回で開催しました。4月の定例会では訪問介護に係る報酬改定についての学習、6月の定例会では訪問先での対応の工夫等に関する共有を行い、6月22日(土曜日)には、五日市のアヴィ―ユボウルにて、移動支援のサービスを利用している方をはじめ、サービス提供をしている事業所間の横のつながりを作る目的で交流企画を開催しました。 スキルアップ研修としては、1月16日(木曜日)に防災研修(講師 廿日市市危機管理課 中田健史さん)を開催し、防災についての基礎知識や、事前にできる備え等について学び、意見交換等も行いました。 個別避難計画作成プロジェクト 令和6年度は個別避難計画(詳細版)作成が始まって3年目となり、プロジェクトでは現状と課題を整理し、令和7年度に向けての進め方等について方向性を協議、検討しました。 令和6年度も最優先課題である「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)在住の障がいのある人で、自力避難が難しい方」の個別避難計画(詳細版)について、相談支援専門員などの福祉専門職と協力しながら作成を行いました。まずは、障がいのある人が避難するにあたって必要な配慮、世帯や自宅の状況等の確認と、計画作成のため必要な聴取項目等について、事前に関係者で調整会議を行ってから個別訪問をしています。現地確認や現状のお話を伺い、避難先の選定や関係機関との調整を行いますが、個別性が高く、安心して避難していただけるような計画を作成するためには完成までに時間を要しているのが現状です。 迅速な計画作成や市民の自助意識の向上が課題となっている中、市でも様々な視点から検討された結果、市健康福祉総務課が中心となって、令和7年度から真に避難支援の必要な方を把握し、当事者や家族等で記入可能な新しい「個別避難計画」の作成について具体的に進めていくこととなりました。そのため、このプロジェクトについてはいったん役割を終えることとなりました。 地域生活支援システム部会 令和6年度は、令和5年度から取組始めた3つのワーキング(令和7年8月に目標達成の予定)において着実に取組を進めることができた1年でした。 廿日市市地域生活支援システム緊急時受入等事業の対象者の登録が進みにくいという課題に対する取組として「緊急登録すすめますワーキング」では、色々な人に分かりやすく事業の周知を行う目的で作成した『もしもしえん』チラシの配布をスタートさせました。 福祉の人材不足解消に向けた取組の「福祉の魅力伝えますワーキング」では、「福祉の魅力を語ろう会」の開催や、ゆるキャラ募集をおこない、福祉の魅力を伝えるゆるキャラの『こころちゃん』が誕生しました。廿日市市の福祉の魅力をPRするためのこころちゃんや、利用者と支援者の笑顔あふれるポスター作成に取り組みました。 また、一人ひとりの願いを増やし充実させるための取組として「あなたのねがいききますワーキング」では“あなたのねがいをきく会”を開催し、2事業所の利用者の色々な願いや想いをきくことができ、今年度も2事業所で開催予定です。 3月には全体の方向性の共有・協議を行う部会や、参加事業者調整会議を 開催し部会の重要性について確認しました。 相談支援部会 相談支援部会は、部会開催に向けて市内の主任相談支援専門員が集まる調整会議で内容検討を行っています。 令和6年度は、6月と1月は主任相談支援専門員が主体となり学習会を行い、「発達検査(WISC、WAIS等)の結果を活用した支援について」や「生活保護に関する支援」について学びました。 また、10月には「コンサルテーションサポート森の入口」の代表で日本相談支援専門員協会 副代表理事の金丸博一さんにお越しいただき、「相談支援事業における運営で検討したいこと」というテーマで講義をしていただきました。後半は、グループに分かれ、講義をきいて感じたことや疑問など意見交換を行いました。相談支援専門員が仕事にやりがいを持ちながら、利用者にとって質の高い相談支援を提供するために、事業運営の考え方など、今後の部会や各事業所における取組の参考になる有意義な学習となりました。 権利擁護プロジェクト 10月22日(火曜日)にプロジェクトを行いました。今後のプロジェクトの在り方や、構成団体の見直しなどの意見交換を行いました。まだ方向性など検討段階ですが、権利擁護という大きなテーマを福祉ねっとで、どのように取り組んでいくか、どのようにしていくのかを継続して協議していきます。 また、今年度も引き続き「合理的配慮好事例、うれしかった対応等」の収集を行い、啓発を行っていきます。 発達障害啓発週間ワーキング 令和6年度も発達障害啓発週間イベント(「ライト it up ブルー広島 in 廿日市市」(ブルーライトアップ)「第5回 はつかいち カラフルアート展 発達障害啓発週間 作品展」)を開催しました。 作品展示は、はつかいち美術ギャラリー、市民ホール、はつかいち、みやじま情報センターで行い、「気になる木」企画の感想やアンケートによる意見を集約しました。山崎本社みんなのあいプラザではポスターやチラシを掲示し啓発コーナーを作りました。 ワーキングでは、アンケートの意見を検討し次年度の作品展へ向けて取り組んでいます。次年度のはつかいち、みやじま情報センターでの展示期間の予約が5月と先になるため、令和7年度からは展示を取りやめ、はつかいち美術ギャラリーの展示に力を入れることに決定しました。そして、ワーキング内の役割分担も検討し、みんなで話し合いながらイベント企画の見直しや改善を図っています。   図書館展示  はつかいち市民図書館では、「発達障害啓発週間」の期間中、自閉症、発達障がいに関する書籍の展示が毎年行われています。令和7年3月28日(金曜日)〜4月23日(水曜日)の期間中には、103冊の貸出がありました。 はつかいち福祉ねっとのホームページ http://h-kiraria.net/wordpress/ 障がい別会議リレーずいそうNo.25 今回の障がい別会議リレーずいそうは、精神障がい部会に所属されているエスペランサの利用者利用者さんに寄稿いただきました。 初めまして。エスペランサ(グループホーム)の利用者です。 17歳から、友和病院や地元の病院で10数回の入院歴があります。今も幻聴や妄想に悩まされています。 自分が病気になったのは、生い立ちを知った15歳(中3)の夏のことでした。自分と妹は父親が違っていました。その頃から、家族の話し声が自分の悪口を言っているように聴こえ始め、何とか進学した高校は第一希望でなかったこともあり、入学式の翌日から不登校となりました。高校は1年で中退しました。 19歳の夏頃には、実家の窓ガラスを割ってパトカーが何台も駆けつけ、警察に保護され、強制的に入院させられたこともありました。家族からの信頼を失い、地元に帰ることはできなくなりました。 主治医や病院のスタッフに大反対されましたが、22歳の時に入院中に知り合った女性と結婚しました。最初は良かった結婚生活でしたが、段々と喧嘩が増えるようになり、近所に迷惑をかけました。妻は入院し、結婚生活は3年で終わりました。 月日は流れ、友和病院に入院していた37歳の時、病院の傍にエスペランサができました。兄のように慕っていたPSWから説明を受け、「人生をやり直そう」と思い入所しました。楽しい時間もありましたが、人間関係のトラブルから薬を無茶飲みし、43歳の時に友和病院に入院しました。退院後、薬もお金もスタッフ管理、デイケアも毎日通所となり、しんどくなった自分は廿日市市で1人暮らしを始めることにしました。 訪問看護や「かけはし」等の支援を受けながら、自分のペースでデイケアに通所する等、最初はうまくいっていた1人暮らしでしたが、しばらくすると幻聴や妄想が酷くなり始めました。周りの人たちが自分の悪口を言っているように聴こえ、部屋に閉じこもるようになりました。支援を受けるのが億劫になり、「アパートの下の階の人に監視されている」という不安な気持ちも出てきました。ストレスや不安な気持ちを紛らわすため、スマホやタブレットでゲームの課金をしたり、有料の動画を見たり、買物をしたりして、生活費が苦しくなりました。自分なりに何とかしようと、ネットで調べた副業にお金をかけて申し込みましたが、うまくいきませんでした。いわゆるネット詐欺でした。その後、アパートの下の階の住人や大家さん等に迷惑をかけてしまい、57歳でアパートを退去しなくてはならなくなりました。 友和病院での1年間の入院を経て、今は2回目となるエスペランサの利用です。病気(障害)に悩まされてきた人生ですが、今、自分の病気(障害)と向き合って、幻聴や妄想に惑わされることがないように学習に取り組んでいます。同じような失敗を繰り返してきましたが、1人暮らしをしたい気持ちは今もあります。支援者だけでなく仲間の力も借りながら、孤立することなく地域で暮らしていきたいです。 事業所リレーずいそう49 ベジモファームBはつかいち 相談支援センターあんさんぶるの橋本さんよりバトンをいただきました、ベジモファームBはつかいちの首藤(しゅとう)です。 ベジモファームBはつかいちは、体調に不安のある方、身体、精神、知的に障がいのある方を対象に体調を整えたり、一般就労に向けて支援を行う「就労継続支援B型」の事業所です。 主な仕事は有機・無農薬の農業と食に関する作業です。農薬や化学肥料を使用しない自然栽培で野菜を育て、個人宅や飲食店へ宅配ボックスの出荷を行います。また、自社野菜を使用したお弁当、加工品製造や室内作業(軽、PC作業)も行っています。 畑で日光をたっぷり浴びて作業することで健康の基礎である体力がつき、生活のリズムが生まれます。また、種から育てた野菜をお客さまへお届けし「おいしかったです!」といった声が直接届く私たちの仕事は、ご利用者さん、スタッフみんなで喜びや達成感を分かち合うことができます。 日々の心と身体を整える場所としてベジモの畑がある。ベジモに来ると、楽しんでチャレンジができる。ベジモファームBが地域にとってそうした存在となれるように、スタッフ一同邁進してまいります! 想像力をもつことを大切に、いつもご利用者さんの側で挑戦を応援できる支援を心がけていきます。 お知らせ 廿日市市役所一階ロビーにて、お弁当販売がはじまりました。お弁当のメニューは6種類。お肉も入ったベジモ弁当、お結びと焼き魚のお弁当、かき揚げ丼弁当、から揚げ弁当、照り焼きチキンのっけ弁当、トマトビーンズオムライス弁当を週替わりでお届けします。毎週月曜日、12時から13時の間で販売をしています。自然栽培の野菜に無添加の調味料で味付けをした優しいお味を是非お楽しみください。 住 所 〒739−0412 廿日市市宮島口西1-9-10 メール vegimo@provanet.co.jp 電 話 070−4096−0390 次回の事業所リレーずいそう50は 「広島学びのサポート センター」です